※今回の記事は、テーマがテーマなので仕方なく性的な記述があります。ご注意ください。そういった表現が平気な方だけどうぞ。
あとほんのりと丸尾末広先生の漫画のネタバレが少しあります。
たまに発作のようにどうしようもなく読みたくなり、読んでは満足します。食欲や排泄欲に近い気がする。読みたい欲が強い時は、青林堂の単行本を一通り読んで胸焼けしたところで満足します。
丸尾末広先生の最も有名な作品は『少女椿』だと思うのですが、私は『笑う吸血鬼』と『風の魔転郎』が特に好きです。
敢えて一番好きなのを選ぶなら『笑う吸血鬼』かもしれない。
丸尾末広先生が描かれる少年が、カッコよくて可愛くて凄く好きなのです。本当にイケメンで可愛くてカッコよくてエロティックなのです。語っていたら既に興奮で語彙力がなくなってきました。
『笑う吸血鬼』は、丸尾末広先生の作風らしさが単行本2巻というコンパクトな中にしっかりと凝縮されています。それなのに1コマ1コマが絵のクオリティがとても高いため芸術的で、サブカル臭が控え目でスタイリッシュ。丸尾末広作品は初めてという読者にとって、グロすぎないです。そこためもっと読まれて欲しい漫画です。とにかくもう凄くスタイリッシュです(感動による語彙力の喪失)
思春期特有の少年少女の心の暗さや、10代らしい社会と折り合いをつける下手さ、そしてなにより吸血鬼モノという質の高いハイセンスな厨二病のようなダークなカッコよさを堪能できます。
胸クソな犯罪シーンがしばしば入りますが、それはわりと先生の漫画ではよくあることです。ですが『笑う吸血鬼』での犯罪シーンはいたずらに過激さを出しているのではなく、こういう事件って本当にあるよなぁ……という現実的なものです。これは他の丸尾先生の漫画とちょっと違うところだと思う。そのため、空想上の犯罪の美化や犯罪への憧れのような印象も特にないのです。好印象です。
主人公は、戦時中に死んだ後によみがえって何十年も生きながらえている吸血鬼・駱駝女によって吸血鬼に変貌させられた、毛利耿之助という中学生です。めちゃくちゃイケメンです。週に1回、人間を殺して血液を摂取しないといけないのですが、人を殺して血液を飲む度に着衣内射精をするという凄い特徴があります。
丸尾末広先生の漫画は、可愛い男の子が出てくるとほぼ必ずおしっこをするシーンがあるのですが、耿之助は別格です。放尿はよくあるのですが着衣内射精は珍しいのです。丸尾先生の作品に出てくるキャラクターの中でも最高峰のカッコいい美少年キャラなのに、他の追随を許さない射精おもらしが日常茶飯事という凄いエロさです。
また、丸尾末広先生の作者名でネットで検索して出てくる画像や、最近のインスタを拝見すると耿之助も描いてらっしゃるので、かなりお気に入りのキャラクターと思われます。
私も丸尾末広先生のキャラクターでは耿之助が一番好きかも。同じ漫画に出てくるマコトもめちゃくちゃ可愛いので好きだけど、如何せん出番が少ない。マコトは丸尾先生が描く可愛い少年なのに一切おしっこや射精のシーンがない珍しいキャラです。耿之助の真逆ですね。
作品のヒロインには駱駝女だけではなく、留奈という女の子もいます。耿之助によって吸血鬼にされたクラスメイトで美少女です。蝶々のようなリボンで短いポニーテールを結んだ、日本の美少女の良さを凝縮したような少女です。この子を見るたびに、日本人で良かったという謎の感動に襲われます。
登場人物は少年少女だけじゃなく、熟女枠と汚いオッサンもいますが、他の作品よりも絵がスタイリッシュなのでカッコいい印象が強めです。というか『少女椿』を基準にすると汚さがかなり控え目です。
個人的には駱駝女がめちゃくちゃカッコいいと思うのですが、あのカッコよさはどこから来るんだろう?美形とは違うカッコよさがあります。虐げられたり苦しくても生きながらえていく強さとか、聡明さ、性格など内面から滲み出る迫力のようなものかな?老婆でカッコいいキャラクターは時々いますが、駱駝女は吸血鬼なのでダークなカッコよさがあります。
『笑う吸血鬼』は電子書籍にもなっていて、すぐに読み終わるのでぜひとも読んでみてください!丸尾末広先生の漫画でどれか1作品を初めての人にすすめるなら私はこの漫画を選ぶと思う。充分エログロだけど汚くはないから親しみやすいのではないかと。
繰り返し言うけど絵が本当に綺麗なのです。
インピオ(少年少女同士)とか、汚いおっさん×少女とかあるけど、それは丸尾末広作品ではいつものことなので……。
……あとは敢えて時事的な話をすると、『鬼滅の刃』のダークさが好きな人に物凄くオススメです。
『鬼滅の刃』の作者、吾峠呼世晴先生の作風は『過狩り狩り』を見ると丸尾末広先生の影響をデビュー前から強く受けてそうだと思うのですが、『笑う吸血鬼』は特に印象に残ってたのかなぁと思います。
オマージュとかインスパイアというよりも、根源的に影響を受けたのかもしれないと感じました。
…………いや、正直に私の気持ちを言うと、耿之助は「保健室の吸血鬼」と呼ばれるし、遠景で見た時の髪とか学ランが似合う美少年(中学生)というのが愈史郎のインスパイア元かなぁと思うし、留奈はファッションがカナヲに似てると思う。愈史郎は珠世さんと違って、『過狩り狩り』の頃から血だけを糧にして人間を食べないという、徹底して吸血鬼の設定のままのキャラクターです。
鬼滅本編では「看病や料理を手伝えないので鬼殺隊に自分の意思で入った」と説明されてきたカナヲが、ファンブック2の後日談漫画では蝶屋敷の医者になって愈史郎と協力しているのも、急に医者になったというのが違和感あったのですが、愈史郎と協力してるところは耿之助と留奈みたいだなぁと思った。そう思うと凄くしっくり来るシーンなんですよね。
もちろんパクリなどと言うつもりはないです。どんな作家にも、憧れる作家やインスパイアされる作品が存在すると思うからです。
すると立場上は駱駝女が珠世さんかなということになりますが、駱駝女が醜女のせむし(でもめちゃくちゃカッコいい)なのに対して珠世さんは若い美人の女性なので、さすがに駱駝女の特徴的すぎるルックスそのままではないインスパイアのされ方なのだろうなと思った。
恐らくは、吸血鬼のはじまりであるドラキュラのイメージから、吸血鬼は美形でお金持ちというのが世界中でお約束になっているので、『過狩り狩り』でも『鬼滅の刃』でも、珠世さんはそれになぞらえてあるのかなと思います。
個人的には、吾峠呼世晴先生は他にも花輪和一先生や大越孝太郎先生の影響も受けてそうな、受けてなさそうな気がする。よくわからないけど。一読者の私が受けた印象では、丸尾末広先生の影響が強いと感じました。あと、花輪先生よりは大越先生っぽいかな(大越先生の漫画めちゃくちゃ好きなんですがもう漫画は描かれないのかなぁ……)
吾峠先生の作風は、「ガロ/アックス系の暗くて退廃的なリョナとエロス」+「心を救済するための現代的な価値観で描かれた人間ドラマ」という、新しい組み合わせの作風なのでとても好きなのです。短編集も鬼滅と同じぐらいツボでした。
『過狩り狩り』は読み切りとしても成り立つ名作ですが、もう何話か読んでみたい。